「AIを使え」と仕事で言われたときに読む記事!
概要
この記事では,「AIを使え」と仕事で言われたときの対処法をざっくりと解説します。
機械学習をよく知らないという方へ向けた記事となります。
※本記事では,機械学習技術を総称して「AI」と呼びます。こちらは一般名称として機械学習よりも認知度が高いためです。ご了承ください。
機械学習の振り返り
機械学習についてはこちらの記事(AI?ディープラーニング?機械学習?について解説してみる - Sasahiko’s diary)ですごくザックリ解説しています。
その他にもAIについて解説した記事がいくつかあるので,ぜひご覧ください。
AIは万能なの?
「AIは全く万能ではない」と声を大にして言いたいです。
確かにディープラーニングは人類の大きなブレイクスルーであり,技術力は飛躍的に向上しました。しかし,何事も向き不向きであり,決して万能ではありません。
(実は,万能なAIが存在しないと証明されています。ノーフリーランチ定理で検索を。)
パソコンが苦手で,あまり知ろうともしないおじさんが「AIで何かできない?」と言い出すケースが多いそうです。「AIってよくわからないけどすごい」「ビジネスの宣伝で使いやすい」など,この注文にはいろいろな意図があるのでしょうが無理です。
この仕事を請け負った場合のオチは見えています。「それってAIじゃなくてもできるのでは?」か「結局,何が原因で改善したかわからないね」か「AIってその程度なんだ」です。
「AIで何かできない?」の困るポイント
ビジネスを行う上で,考えるべきポイントは以下の3点です。
1.明確な目標設定
2.手段としてのAIの適性
3.データとAI
上記があいまいのままプロジェクトが進んでいくと,ほぼ確実に詰んでいきます。
では,詳細を解説しましょう。
1.明確な目標設定
こちらが絶対的に重要で,ここがあいまいのまま進むとろくなことがありません。
「現状の課題」を明確にし,「達成すべき目標」を明確にします。
この段階で定量的にしておかないと,結果が出た後にごねられることになります。
「例えば,自社商品のマーケティングにおいて,従来の方法では顧客認知率15%の商品をAI推薦システムにより同期間同予算で25%まで改善しよう。」
上記の例は適当ですが,実際にはより定量的に明確にしていく必要があります。
2.手段としてのAIの適性
AIは万能ではなく,従来のような計算(アルゴリズムと呼ぶ)のほうが良いケースがかなりあります。というより,パターンがわかっているものに関してはアルゴリズムのほうが高精度になります。
こちらは,専門的な知見を持っていないと検討不可能だと思います。
AIを使うかどうか,使う場合にはどれを採用するのかというのは,どれほどまでAIを深く理解しているかが直結します。
3.データとAI
上記まででAIを使うことが決まった場合に直面する問題はこちらです。
AIを使うかの検討段階で確実に問題になりますが,AIを利用するのに十分な「データ」が使える形で保管されている必要があります。
SNSマーケティングならクリック率が必要かもしれませんし,サイトの滞在時間が必要かもしれません。こちらは,目標や利用するAIによって大きく異なりますし,データサイエンティストの腕の見せ所です。
しかし,データが必要と思っても湧いて出てくることはありません。必要なデータがないなら,現状でできるものに妥協するか,データを収集するかしかありません。
ここで最も困るパターンですが,たまに「データが必要」と理解しているおじさんが注文してくる時があります。「自社にはデータがたくさんあるから,それを有効活用したい」と。ただ,データ活用から逆算していないデータの集まりは基本的にごみの集まりです。塵も積もれば山となるので,ゴミの山があるだけです。ゴミ山から稀に宝石が出てくる場合がありますが,割とまれなケースなので,データ収集の第回からデータサイエンティストに任せることがおすすめです。
基本的に無茶ぶりはデータサイエンティストへ受け流しましょう。
中途半端なデータ解析経験からの安請負は自分の首を絞めます。
まとめ
「AIを使って何かできない?」と上司から言われた時の対処法をまとめました。
基本的には断るか,データサイエンティスト系の企業へ依頼するのが良いと思います。
自分で調べて,やっていこう!は基本的に無理です。
twitter : 笹彦 fx自動売買EA開発者 (@trader_brothers) | Twitter
Instagram : https://www.instagram.com/fxtrader_sasahiko/